プレデターX(原題:The Creature of the Sunny Side Up Trailer Park)

プレデターX [DVD]

プレデターX [DVD]

【時間】約105分
【監督】クリストファー・コッポラ
【製作年】2004年
【ジャンル】兄弟の醜い友情を描く、田舎に行ったらモンスターに襲われた系アクション
  
◆勝手な5段階評価◆
【B級度】2
【ネタ度】1
【ツッコミ度】2
【オススメ度】1
【理解不能度】2
 
【注意】ネタバレ含みます
 
 かの有名な映画『プレデター』をレンタルしようとしたら、引っかかったこの作品。関連作品と勘違いし、レンタルしてしまいました。
 まあ、一応制作スタッフに『プレデター』の関係者はいるそうですが、元のタイトルは『The Creature of the Sunny Side Up Trailer Park』で、『プレデター』との直接的な関係はありません。
 
 で、全体的な感想を言わせてもらいますと。暇
 モンスターとの激しい格闘があるわけでもなく、謎を解いたり探検があるわけでもなく、兄弟がいがみ合ってずーと物語が進む。1度見るのはいいかもしれないが、2度目は辛い。
 最後の10分くらいでようやく対決シーンが描かれますが、それもハラハラドキドキの展開というにわけではない。
 安っぽい映画というわけではないんですが、内容が薄い。40分にまとめて欲しいです。
 
 で、内容の解説。
 
 
 
 ある時、別々の場所で、別々の人間に、シャーロットという母親が死んだので遺産として村一つ分の土地を相続するようにとの手紙が届きます。
 相続人の一方は黒人、一方は白人、どちらもなかなかにマッチョな男です。

 
 で、その相続の関係で、寂れた村にその2人がやって来ます。
 先にやって来たのはマッチョな白人。ダグ・マッコイという名前だそうです。一方のマッチョな黒人、ドニー・ダニエルズは少し遅れてそこへ到着します。
 どうやら相続するのは村一つ分の土地らしく、現在の村の管理人も交えて、3人で遺産相続につて話し合いますが、ただの口喧嘩みたいな状態です。
  
 激しい口喧嘩の割に、あっさり黒人の男は相続を諦める。家に帰ろうとしますが、車が故障してます
 修理を頼もうと公衆電話を使うと、突然電話回線が切れます。明らかに、村の人達が逃がさないために工作を行っている雰囲気です。
 で、怪しい子供に電話を貸してくれと言うと、案内された先はマッチョ達の母親が住んでいた家。何故か明後日が誕生日だと言い残し、子供は去って行きます。
 
 一方、白人マッチョはと言うと、村で知り合った女性と共に、映画を見に行きます。屋外で上映されている映画を車に乗ったまま見てます。ちなみに『吸血鬼のいけにえ』とかいうタイトルの白黒の映画です。
 で、映画の上映中、白人マッチョは売店売店に行くと、突然天井から血が垂れてきます。
 ヤバイと思って外に出ると、今度は上映されている映画が赤く染まり、フィルムが途切れ、怪物の影が画面に映ります。気付けば映画を観ていた人達は一人もいません。
 そのまま村中を逃亡し、白人マッチョは車の中で夜を明かしました。
 
 で、その翌日。黒人マッチョの方は、何故か村から脱出せず、まだ残ってたので、再び2人で相続について口論。決着を付けるため、パーシーとかいう人の場所へ2人で行きます。
 で、そこで唐突に相続の条件が出て来ます
 どうやら、土地を自然や野生動物の保護区にすることと、村民の生活を守ることが条件らしいが、これに2人が同意しなければ、別に条件を無視してもいいとのこと。
 結局、この条件に意味はありません。そして、決着もつかずに2人は村の中へ帰って行きました
 
 で、怪しい集団が真夜中に儀式をしているシーンが出たり、マッチョな2人がまだ外が明るい時間帯に家の中で喧嘩してるシーンが出たり、徐々に時間間隔がおかしくなってきました。暇な展開よりはマシかもしれませんが、制作者たちが映画を作るのに飽きてきたようにも感じられます。
 徐々に意味不明になってきたなーと思っていると、突然夜になり、マッチョ2人が喧嘩中の家の窓が吹っ飛んだり、暖炉に火が点いたりの超常現象が発生。そして、マッチョの母親の幽霊が出現します。
 幽霊は「この世で最大のパワーは金だ! 私の見つけた黄金の貝殻を2人で一緒に手に入れろ」とかいって、消えてしまいました。

 で、幽霊の出現については一切触れず、そのまま眠ってしまったらしいマッチョ2人。どういう神経しているだか。
 翌日になって、途中で現れた怪しい子供がやって来ます。どうやらこの子供の爺さんが答えを教えるから来いと命令しているらしい。答えって何のことですか? って感じですが、マッチョな2人は気にしません。

 で、ついでに子供の誕生日パーティーをやることに。しょぼいパーティーをやっていると、唐突に子供が解説を始めます。

 どうやら、マッチョの母親は黄金の貝殻を見つけ、そのことで、財宝への入り口を見つけたが、その護り主である『ブラッド・ヘッド』という怪物を目覚めさせ。殺されてしまったそうです。
 ちなみに、爺さんは子供の体内にいるそうです。どういう設定でしょうか?

 黄金の貝殻を探すマッチョと子供。村の管理人をやっていた爺さんの家に忍び込みます。
 白人マッチョは不気味な凶器を見つけ「こいつは使えそうだな」と一言。何という危険思想。それとも、怪物との闘いを予知したのでしょうか?
 一方、黒人マッチョは黄金の貝殻を発見しますが、独り占めするため、誰にも教えず後で回収しようとします。
 しかし、そのことが黒人マッチョにバレ、再び喧嘩を開始その隙に子供を誘拐され、母親の幽霊に叱られます。なんかコントみたいです。しかも、ここでも幽霊の存在については一切言葉に出しません
 
 その辺に放置されていたのカートをそれぞれ奪い、追跡を開始するマッチョ2人。そんなに簡単に奪えるのなら、序盤で村を脱出できたと思うのだが。
 カートで追跡しながらも、お互いに体当たりをして戦う2人。もはや追跡になっているのかもわかりません。
 カートが爆発すると、突然夜に。そして、怪しい遺跡のような場所に辿り着きます。
 
 マッチョ2人が怪しい遺跡の周囲を歩いていると、深い穴のような場所に落ちている子供を発見。それを救出しようとするマッチョ2人。背後から怪しい集団に近づかれ、見事に突き落とされました。
 で、子供が突然怪物化。怪しい集団が言うには、我等の命を解放してくれる者であるらしい。
 この怪物、実は作中の特に語る必要もないシーンで村人を数人殺しているのですが、マッチョと闘うといい勝負です。怪物を援護するためか、怪しい集団はたいまつを投げ込みますが、マッチョはそれを利用して怪物を攻撃します。
 で、怪物は突然マッチョ達を無視して空を飛ぶと、村人の方へと向かいます。一方、マッチョ達は肩車のようなことをして、穴から脱出。白人マッチョが入手した武器で怪物の首を切ります。
 切り落とす前に村人がマッチョ達を怪物から引き離します。すると、怪物の傷口から滴る溶解液で、村人達は溶けてしまいました。命の解放とはこのことでしょう。

 生き残ったのがマッチョ達と怪物だけになると、怪物は子供の意識を取り戻し、そのままさっきまでマッチョ達が落ちてた穴に落ち、炎で焼かれてしまいました。

 そして、なんとなく仲良くなったマッチョ兄弟は近くに放置されてた車を盗み、帰りましたとさ



 根っからの安っぽい映画ではないし、悪い映画という訳でもないのだが、その分、ツッコミどころが多いわけもなく、ただただ面白味に欠ける作品です。
 マッチョ2人が徹底的に喧嘩しているシーンが繰り返されたり、無意味なシーンが連続してつまらんです。
 ちなみに、怪物の生け贄には村の人達が使われていたようですが、儀式を行っていた怪しい集団も村の人。何故そういう状況なのかを推測できないこともないですが、喧嘩のシーンを長引かせるくらいなら、その辺の解説をして欲しかった。
 「奇怪な怪物の恐怖」とか「村民の戦慄の儀式」とか「兄弟の絆」とかの見所を入れようとして、全てに失敗した雰囲気の作品です。100分かけて何も見所がありませんでした。