アタック・オブ・ザ・キラー・トマト

【時間】約83分
【監督】ジョン・デベロ
【製作年】1978年
【ジャンル】ホラー作品の皮(主成分はトマト)を被ったギャグ
 
◆勝手な5段階評価◆
【B級度】3
【ネタ度】5
【ツッコミ度】5
【オススメ度】5
【理解不能度】2
 
 B級映画として名高い作品。ツッコミどころが滅茶苦茶多い作品で、いちいち書いてたらきりがない。まあ、わざとやってるんだろうけど。
 興味がある人は一度レンタルすることをお勧めする。多分、この映画の面白さ(くだらなさ)は実際に見ないと理解できないんで。
 
 では、内容解説。
 
 
 
 物語は、洗面台に落ちていたトマトによって、主婦が襲われるところから始まります。
 
 で、すぐテーマ曲が流れ、オープニング映像になります。かなりノリノリの行進曲で、是非とも音楽プレーヤーに入れて散歩したいと思う。
 ちなみに、このオープニングの時点でスタッフなどの名前に紛れて関係ない広告が入ってたり、製作スタッフの苗字がやたら被っていたり、本気なのか、ネタなのか、意味不明で素晴らしいです。
 
 さて、冒頭で、襲われた主婦が死亡しております。
 警察官が主婦に付着している血のようなもの見て「血じゃない、トマトジュースだ」という反応。この、通常なら生きている展開が、そのまま死因になっている辺りが気に入りました。
  
 どうやら、実験農場のトマトが巨大化し、人々を襲うようになったようだ。しかもトマトには薬も虫も銃弾もほとんど無効らしい。
 それにしても、敵のトマトが小さい。どうみても普通のトマト。
 
 シーンが変り、作戦会議。将軍が二人三脚で手に入れた勲章を付けてたり、妙に狭い会議室に、これまた妙な入り方をしたり、これでもかってくらいにバカさをアピールしている。
 
 で、モリソンという博士がトマトの被害や、それに対する現状の対策について解説を始める。
 その中でノキタファ博士が新しい対抗策を作り出したという話になります。
 ノキタファ博士の演説からすると、サイボーグを作り出したとのことです。
 ここまでの内容で、サイボーグ対トマトの構図になるのか? と思ったが、違った。不気味な笑みを浮かべるサイボーグが出ては来ましたが、予算の関係で片足しか改造されなかったそうです。出番もこれで終わり。
 
 結局、ディクスンという男と4人の工作員によって問題を解決することになり、さっそく、集合。
 工作員の一人はサムという男、変装の達人らしいですが、パーティーグッズレベルの変装としか思えない。
 水泳の達人というグレタという女。元オリンピック選手だそうだ。
 グレッグという男は潜水の達人。何故か、常にアシヒレだの酸素ボンベだのを付けてる。
 最後に、フィンレター中尉は後で合流するとのこと。
 
 そうこうしているうちに、陸でも海でもトマトによる被害が拡大。それにしても、被害者が叫びすぎ。どう見ても目の前にあるのはタダのトマトなのに。
 倒れている人をトマトが襲うシーンもあるが、適当にトマトの配置を換えて、パラパラ漫画を作ったような映像。何を表わしたいのか理解に苦しみます。
 トマトに対しては、国も色々会議をしているそうですが、全く頼りになりません。
 
 どこかの新聞社(?)のシーン。人がいないので、新人のロワスという女にトマト関連の調査を任せるようようだ。
 
 別のシーンで、大統領とその部下の会議シーン。部下の男はマインドメーカーとかいう場所に派遣されるようで、そこで、テッド・スワンという男に会うらしい。
 
 新人記者のロワスは特殊部隊(色々な意味で)を率いるディクスンと接触しますが、無視されます。
 ディクスンは車で移動。運転中、意味不明に特殊部隊の人たちをばらまきます。一体、水泳選手や酸素ボンベにアシヒレを付けた男を荒野に下ろしてどうしようというのでしょう?
 
 で、フィンレター中尉合流。パラシュートでの登場です。
 突如、変装の達人、ボブに「ヒットラーだ!」と言いながらサーベルを振りかざす危険人物。なんとかディクスンが説得して止めます。
 ちなみに、変装の達人はヒットラー(?)の変装中のためか「アウトバーン」「カツレツ」としか喋りません。
 
 潜水の達人、グレッグは街に辿り着き、噴水で潜水。ちなみに、登場はこれっきり。自由行動のようですね。
 
 派遣された大統領の部下、ジムはマインドメーカーに辿り着きます。そこで出会ったスワンは陽気なおっさん。どうやらトマトのイメージをよくするための方法を解説してくれる模様。そして、全く関係なく、家具のセールの広告が画面上を流れたりします。
 マインドメーカーの質を疑うジムに、スワンは自信満々に歌って説明したり、実績を見せることで、いかにマインドメーカーが狂っているかを表わしてくれました。
 
 シーンが変り、ディクスンとフィンレター中尉がホテルに泊まります。
 野外でマシュマロを焼きたかったのに、焼けずに不服な中尉。何故かまだパラシュートを付けたまま歩き回っているので動きにくそうです。
 で、偶然そのホテルにいた記者のロワスは、ディクスンの宿泊していると思われる部屋のキーを受付で手に入れます。夜になって、潜入を試みますが、即座にバレて逃げます。
 しかし、フィンレター中尉にしか目撃されず、売春婦だと思われるだけですみました。
 
 そのころサムは、草の冠を被り、トマトの着ぐるみを使って敵地に潜入中だった。
 
 翌朝、敵トマトがセクター2に襲来という連絡を受け、ディクスンが現地に向かいますが、フィンレター中尉な優雅に朝食の準備中。置いていくことに。
 ディクスンが現地に行くと、とうとう本格的に闘いの雰囲気。地図とか取り出して、本格的に戦略会議とかも開始した。
 で、とうとう巨大化したトマトが出て来た……と、思ったら、実は本来は通常のトマトより小さいチェリートマトが巨大化したものだったという展開で、驚きの表情や深刻な雰囲気を出すが、見ている方からすればただのギャグ。
 
 水泳選手のグレタは何故か草むらでステロイドと書かれたものを食べてます。これが彼女の任務でしょうか?
 そこにトマト登場。人間サイズのトマトも現われて、あっさりやられてしまいました。
 
 大統領部下のジムが再びスワンを訪れたシーン。スワンのトマトのイメージアップ作戦により作られた「原発対トマト トマトは原発と比べ安全で安くておいしい」広告が登場します。
 さらに、様々なトマトのイメージをよくするための内容が出て来ます。
 ところで、今更ながら、何で大統領と、部下のジムはトマトのイメージ向上をしているのでしょうか? 風評被害を食い止めるためには、トマトが人を殺しているという事実を解決する必要があると思うのですが。
 
 トマト被害はどんどん酷くなります。ロサンゼルス、ボストン、シアトル、シカゴと被害が拡大。トマトと言葉を発するだけで周囲は混乱し、気絶するものも出てくる始末。
 ちなみに、トマトの底にカートのタイヤのようなものや、足のようなものが見えることがあります。これはトマトの進化か! と思ったけど、そういう訳ではないようです。もしかして、わざとか?
 
 そんなニュースなどをラジオで聞く度に今週ナンバー1の音楽「思春期の恋」が登場します。非常に酷い曲です。
 ディクスンが車に乗っていると、トマトに襲われたのですが、この音楽が流れるとトマトは退散していきました。ジャイアンの歌を彷彿させるな。
 
 シーンが変り、ディクスンが外を歩いていると、暗殺されそうになりまが、銃で撃たれる度に通りがかった人が壁になり、助かりました。すぐ隣で人がバタバタ死んでるのに気にならないディクスンという男はかなりの大物だな。
 
 その頃、サムは敵のトマトと仲良く食事をしていました。
 そういえば、この作品は昼のシーンだったり夜のシーンだったりがしょっちゅう変ります。暗殺者が出たときは昼だけど、サムのシーンは夜です。
 
 で、恐らく夜が明けたのでしょう。昼時にディクスンが軍の基地を訪れ、作戦会議のようなことを行う。
 帰り、フィンレター中尉が基地の門で待っています。すると、そこで暗殺者の襲撃を受けます。
 
 暗殺者はすぐに逃走。フィンレター中尉が追いますが、何日経ってもパラシュートを付けっぱなしにしているため、追いかけるのも一苦労です。よく汚さず破らずパラシュートを何日も装備できるものだと褒めてやりたいです。
 
 で、線路を挟んで敵と対峙、銃を突きつけられ、フィンレター中尉は動けなくなります。間に電車が通った隙をつかれ、暗殺者には逃走されました。
 
 その頃(昼から夜になったが)、サムは敵と仲良く食事をしていましたが、食事の中にトマトが混じっていたためか、恐らく殺されてしまいました。登場はこれが最後となります。
 
 トマトとの本格的な戦闘が開始されます。闘いの前に軍人が意味不明に歌ったり踊ったり。全くやる気が感じられません。
 戦闘の様子もなんとも微妙な雰囲気。部分的には本格的に見えるが、明らかにギャグのレベル。
 
 ま、アメリカ軍が総力を挙げてた結果、人間はトマトに敗れました。まともな人は逃げだし、街に残ったのは変人だけという状況です。
 生き残ったディクスンが外を歩いていると、中型トマトに襲われます。しかし、偶然流れていた「思春期の恋」の御陰で助かります。
 
 直後、先日の暗殺者を発見。追跡します。
 相手の車が故障したところで、ディクスンは車から降りて銃を突きつけますが、しっかり車を止めなかったため、自分の車に撥ねられ、気を失い、暗殺者に誘拐されます。
 何故殺さなかったのかはツッコミを入れてはいけません。
 
 暗殺者は大統領の部下のジムでした。どうやら立場は大統領報道担当官だったそうです。
 今の立場に嫌気がさし、自分自身が大統領になるため、トマト騒ぎを利用しようというご様子。トマトの力によって、現状の権力が消えたら、自分がトマトを倒し、トップになる計画らしいです。
 
 トマトを倒す方法をディクスンが聞き出そうとすると、そこにフィンレター中尉出現。あっという間にジムをサーベルで殺してしまいました。御陰で方法がわかりません。
 で、偶然ピアノからフィンレター中尉が落したレコード「思春期の恋」を見つけ出し、ようやくトマト退治の方法を理解します。
 
 近くのスタジアムに街の人を集めたディクスン。その光景とは全く関係なく(?)画面を横切る売り尽くしセールの宣伝。
 そして、気付けば住民がスタジアムに集まりました。見るからに変人ばかりです。
 
 トマトが登場。スタジアムに攻め込んできます。
 そこで「思春期の恋」を大音量で流します。あまりのひどさに逃げるトマト。なんとも間抜けな光景です。やはりジャイアンの歌を思い出します。
 
 スタジアムの外では通常サイズに戻ったトマトが大量に落ちています。それを踏んで喜ぶ街の人々。なんとももったいない光景です。スタッフ(同じ苗字ばかり)が後で美味しくいただいたのでしょうか?
 
 しかし、トマトは全滅していなかった。記者のロワスがヘッドホン風の何かを装着した巨大トマトに襲われています。危うしロワス!
 そこに駆けつけたディクスン。どうやって戦うのか? と思ったら、紙切れを掲げます。だいたいおわかりでしょうが「思春期の恋」の楽譜です。どうやら楽譜をトマトは理解できるらしく、こいつもやられてしまいました。
 
 こうして、平和になったと思いきや、トマトがいなくなったのを良いことに、今度はニンジンが動きだし、終了です。
 
 
 
 まあ、だいたいの内容を書いてしまいましたが、本物はもっとインパクトのあるものになってます。面倒なので省いたネタがゴロゴロゴロと。
 くだらない映画が好きな人にはオススメの一品です。