MAGMA マグマ(原題:MAGMA:VOLCANIC DISASTER)

MAGMA [DVD]

MAGMA [DVD]

【時間】約95分
【監督】イアン・ギルモア
【製作年】2006年
【ジャンル】「アメリカン」な火山との闘い
 
◆勝手に5段階評価◆
【B級度】3
【ネタ度】4
【ツッコミ度】3
【オススメ度】2
【理解不能度】2
 
 雰囲気は真面目に作ったのに、何故かB級映画になってしまった系作品である。昼時や深夜枠に大した宣伝もなく放送される程度ならテレビ放送も可能な作品だ。
 内容を簡単にまとめると、世界規模での火山爆発に対し、学者が立向かうという構図を描いているが、あり得ないような火山活動が題材となっているので、科学的な考察に基づいた緻密なシナリオを期待してはいけない。そんな感じの中途半端な作品である。
 映像表現について言えば、それなりに道具を持ちだしたり、場所を移動したり、結構お金をかけてはいるのだが、CGが登場するたびになんとも言えない不完全燃焼な映像表現となるので、やはり中途半端である
 
 まあ、作品の宣伝で「火山の爆発で人類滅亡の危機! 世界を救うためには海溝に核魚雷を撃ち込むしかない!」と言った内容が書かれていたので、よくあるアメリカンB級映画であることは分かっていました。
 ちなみに、作品の終わり方はB級映画の中でも「えっ! これで終わり!?」と言った何とも微妙な仕上がりとなっております。
 では、ここから本編の詳細な解説に入ります。
 
 ◆◆◆
 
 さて、内容について解説する。
 主人公の大学教師と生徒達が休火山で調査を行っていると、噴火が発生。この噴火から、主人公は、自分の恩師の「エクソダス理論」を思い出す。
 主人公が恩師に相談すると、すでにこの理論の現象が始まっていると恩師さんは言い出します。そしてどうやったのか、恩師さんは富士山が噴火するタイミングを割り出し、日本へ旅立ちました。「病院の一室で人生を終えるくらいなら、現場に戻る方がまし」とカッコイイこと言って日本に向かったのですが、実質ただ死にに行っただけでした
 ちなみにエクソダス理論」とは、何らかの原因で地球が膨張し、世界中の火山からマグマが噴き出す現象らしいです。ありえないような理論ですが「昔から正しい意見と言うものは主流の意見とは合わないものだ」といったような詭弁で誤魔化します
 
 恩師を見捨てた後、主人公は火山の噴火によって数カ月で地球上の全ての生物が死に絶えるアメリカ中央情報局で言い放ちます。どうやってこんな分析を行ったかは謎です。
 しかし、当然ながら大した信用を得られなかったので、証拠をつかむためにエクアドルへ行くことになります。
 一方で、日本では富士山が爆発。どれだけの大規模だったのか知りませんが、これだけで日本は滅んだそうです。しかも、富士山の噴火だけで中国の海岸線の60%が海に沈んだらしいし。でも、死者は数十万人で済んだというから不思議なものだ。
 で、エクアドルに行った主人公たちはと言うと、銅の採掘用のトンネルの中で火山活動について調べます。明らかにマグマでトンネル内は高温になり、人間が居られる状態じゃなさそうですが、中に居る人は気にもしません。途中、採掘用のトンネルではなく、マグマの通り道に入ってしまった生徒たちが死傷します。ちなみに、マグマが掘ったはずの通り道には何故か電燈が付けられていました。謎です。
 
 さて、エクアドルの調査の結果、エクソダス理論が証明されるわけです。どういう経緯でエクアドルでの調査がエクソダス理論の構築につながったのかが完全に描写されませんが「人間の出した毒素や放射能を浄化するために自浄活動をフル稼働させた地球が膨張を始めた」という結論が得られた得られたらしいです。
 しかし、火山噴火の原因はどうでもいいらしく、解決策としては「核魚雷を使って海底に穴をあけ、マグマを海底で噴出させることで陸の被害を抑える」という結論に達しました。
 困ったら核兵器というのがアメリカの映画らしいなと思うと共に、この世界の核弾頭は地球にやさしいクリーンな兵器であることに驚かされます。 
 
 で、潜水艦発進。意味はないはずだが、何故か指令役として潜水艦に主人公も乗ることに。
 後は世界各国の潜水艦と共に海底に核魚雷を撃つシーンが出たり、陸でのマグマによる被害風景が流れたりして、アメリカの大統領っぽい人が国民に向けてメッセージを送っていたら、いつの間にか作戦成功して終わっていました。
 もの凄い不完全燃焼です。マグマなのに。
 
 ◆◆◆
 
 まあ、酷過ぎる映画ではないし、よく観ていると突っ込みどころがあるので、そういう面で楽しむことができるが、中途半端に面白くない方に傾いているように思えてならない。
 テレビで放送されていたら何気なく見てもいいかもしれないけど、わざわざDVDをレンタルして観るほどの価値はないかと思われる。B級映画好き以外は。