ダイナソーウォーズ

ダイナソーウォーズ [DVD]

ダイナソーウォーズ [DVD]

【時間】約93分
【監督】ブレッド・パイパー
【製作年】1996年
【ジャンル】原始人VS.恐竜風の何か。百合、拷問もあるよ。 
 
◆勝手な5段階評価◆
【B級度】5
【ネタ度】2
【ツッコミ度】3
【オススメ度】1
【理解不能度】2
 
【注意】ネタバレ含みます
 
 ダイナソー・ファイターに続き、ダイナソーウォーズです。まあ、連続で借りたわけではありません。感想文を掲載する順番をコントロールしただけです。すみません。
 
 タイトルはB級映画として面白そうと言うほどではないが、ネット上で片っ端から最低評価をいただいているこの作品。そんなことされたら俺は見るしかないじゃないか……。
 で、借りてしまいました。
 まず、借りる前から酷い評価であることはわかってたし、ジャケットのクオリティーも同時代のB級恐竜映画である『ダイナソー・ファイター』以下なので、酷いであろうことは容易に想像できた……が、甘かった。
 なんだこれ!? と驚くほどの画質の悪さである。よくもまあ、こんなに画質の悪い映画を作れたもんだ。60年代の映画でも、もっと綺麗だった気がするぞ?
 ちなみに、映画の宣伝文は
 『人類と恐竜の闘いによる、壮絶なアクションアドベンチャーティラノサウルスを崇拝する村に、生け贄としてさらわれた女達を助けるため、男達が立ち上がる!』
 といったもの。なんとか映画の内容からはずれてはいませんが、期待すると裏切られる質の悪さでした。
 
 では、作品内容の解説に入ります。
 
 
 
 最初からナレーションで始まるうえ、「これは事実に基づいた話である」で開始。恐竜対人間って構図でそりゃ無理だろ。
 どうやら、この物語は南フランスの洞窟で発見された400万年前の壁画の内容らしいです。
 え? 400万年前? 今調べたら洞窟壁画は4万年前から製作されたって出てるぞ? しかも、400万年前って言ったら人類はまだアウストラロピテクスの段階だぞ? っていうか、恐竜絶滅から6000万年くらい経過しているぞ?
 
 そんなこと気にせず、更にナレーション。
 400万年前に人間と恐竜が同居していたらしく、地上の支配者となるため、人間による残虐行為が行われていたそうな。
 
 で、その残虐行為とは人間をティラノサウルスに生贄を捧げて言うことを聞いてもらうというもの……それって、思いっっっ切り人間が下ですよね?
 そして、生贄を捧げる部族は、恐竜のまねをするためは虫類に似せた皮を被っているとのこと。やっぱ人間の方が下じゃね?
 他の部族と混同しそうなんで、この部族を『敵部族』と呼びます
 
 で、その敵部族に囚われてる3人の女がいます。その1人を祭壇のような場所に縛ると恐竜登場。なんとも酷すぎる安っぽさです。その辺のリアルな人形の方がまだましです。
 で、祭壇に縛られたヤツが生け贄となりました。
 
 場面が切り替わって。草食の恐竜と、それを狩ろうとしてる男達が出て来ます。
 驚くべきことに、恐竜がストップモーションで動いてます。ようするに、パラパラ漫画です。そして、背景が明らかに平面の写真か絵を合成しています。 ようするに
 
 ・酷い画質
 ・非常に出来の悪い恐竜の模型
 ・動きはパラパラ漫画
 ・背景は平面の写真や絵
 
 
 というコンボです。クオリティーの酷さに驚嘆します。そして、このシーンだけのことでなく、このクオリティーが延々と続きます
 狩りの途中、ナレーションが狩りをしている4人の男達の解説しますが、面倒なんで省きます。
 恐竜の首に巻き付いてた縄が最初から切れてたのに、途中で縄が再生し、また切れたりと、意味不明な映像が流れますが気にしません。
 で、仲間が一人踏まれ、死んでしまいました。怖じ気づいたのか、残りは恐竜を逃がします。こんな調子でよく今まで生きてたものだ。
 
 この後、偶然沼に落ちていた恐竜の首をロープで締め、一匹獲物を倒します。「みんなが腹を空かせてる」っぽい会話をしたので、村までこれを運ぶのかな? と、思っていたらそんなことはなかったです。血を飲んで満足しました
 
 更に狩人御一行が進むと、村から煙が上がっています。村へと走る3人。村の中は壊滅状態です。
 重傷の長老に何があったか聞くと、人でもケモノでもない連中に襲われ、3人がさらわれたとのこと。どうやら冒頭で出て来た敵部族に襲われたようです。だとすると、さらわれた3人は冒頭で囚われていた3人でしょう。
 誘拐されたのが誰か確認していると、太陽の中を探せと言い残し、長老は息絶えます。ちなみに、この言葉に意味があったのかは最後まで不明です。俺には意味が分かりませんでした。
 
 さらわれた3人を助けるため、旅に出る男達。
 目の前に謎の洞窟が登場し、ナレーションがそれに対して説明していると、そこから、未知の生命体が現われます。「当時の人々にとっては理解に苦しむ存在だったに違いない」とナレーション。実際、映画を観てる側もかなり理解に苦しむ集団です。
 まあ、人間が変な服着て、変な被り物付けているのですが、何を表現したいのかわかりません。
 未知の生命体は、男達3人が撲殺してしまい、その場は切り抜けました。
 ちなみに、謎の洞窟っていわれたのは、どう見ても金属むき出しの人工物でした
 
 一方のさらわれた3人の女達に場面が移ります。といっても、既に1人は生け贄になったので残り2人です。
 その内1人が敵部族の1人によって外に出されます。べつに、生け贄にしようというわけではないようです。
 何が行われるのかな? と、思っていたら、敵部族は頭に被っていた皮を脱ぎ捨てます。中身は女です。どうやら、敵部族は全員女らしいです。
  
 そして、何故か発生する百合展開……ええっと、この映画は何をしたいんでしょうか?
 ちなみに、この百合の女は勝手に捕虜を連れ出したところが敵部族の仲間に見つかり、処刑されることになりました。
 で、今度は処刑と称して拷問展開……やっぱり、この映画は何をしたいんでしょうか?
 しかも、一通り遊んだら処刑はやめて村に連れて帰ってしまいました。これは、映画スタッフの趣味でしょうか?
 
 その頃、男達はというと、恐竜から逃げて、あっちに行ったりこっちに行ったり。特に語る必要もない展開が繰り広げられます
 なんとか敵の村を発見した男達は、トリケラトプス風の恐竜の卵を破壊し、怒った親のトリケラトプスを敵部族にぶつけるという作戦を開始。その隙に囚われていた2人と敵部族を裏切った百合の女を救助します。
 そこまではよかったが、途中で休憩しながらゆっく〜り逃亡を行います。
 そのためすぐに発見され、追いつかれます。結局逃げ切ったのは助けに行った男一人と、部族を裏切った百合女一人です。
 
 で、残った2人が途中で出てきたの謎の洞窟に入ります。呼び名が禁断の洞窟に変わったようですが、気にしてはいけません
 奥にはなんとレーザーガンがありました! どうやら400万年前に墜落した宇宙船だったらしいですねえ。なんと無茶な展開。
 
 で、再び捕虜になった方は相変わらず拷問されてたりします。そこに助けに戻った男がレーザーガンで大暴れ、恐竜を倒して一件落着。
 
 そして、ナレーションが400万年前の地層からUFOが見つかっただの言って、この物語が事実であることを強調し、ようやく幕を閉じます
 
 
 
 騙された! とは言いません。もとから下らないものを期待していましたから。
 しかし、こんな展開を90分もかけて見せられて、誰が喜ぶんだよ!?
 事実であることを強調する作品の割に、400万年前に恐竜がいたり、レーザーガンが出て来たりその他もろもろ無理ありすぎ。いっそ、完全なSFにして、恐竜対レーザーガンを持った宇宙人にした方が面白いんじゃない?
 ちなみに、何かの勘違いがあったら悪いと思い、2回この作品を見てみましたが、2回目は倍速で見ても苦しかったです。